waffle

僕の事一人占めしてほしいよ

染、色 6/2ソワレ 観劇しました

染、色観てきました。

レポなんてもんじゃないけど、ネタバレしてると思うので注意。

初正門くんでしたが、きゃー!正門くんかっこいい!って感情は出てこず、終始落ち着いて、一つの舞台としてしっかり観られました。初正門くんはお顔が小さくてさすがジャニーズだあ!って感じ。痩せてる期間だからか思ったよりちっちゃくて華奢だなという印象でした。私はムチムチの子が好きなので、舞台終わったらもう少し太ってほしい。衣装は何着かありましたが、サラッとしたリネンの衣装や白Tなので、こーゆー大学生いるだろうなって感じ。

内容は原作にある、壁にぶつかる美大生(深馬)と才能あふれる謎の女が出会う、って基礎はありつつ、結構変わってました。正門くんの役名は深馬(みうま)、きっと苗字だろうな。美優は真未(まみ)になってた。あとは深馬のゼミの先生(滝川)と仲良しの同級生二人(北見と原田)、深馬の彼女である杏奈が出てくる。真未は深馬たちと学校が同じって設定じゃないんだけど、この設定が最後のオチに効いてくる。

大学の同級生とゼミ室(先生のアトリエ)できゃっきゃと楽しそうな雰囲気から始まる。先生もとても穏やかで癖がない。だからこそ私的にここで「なんでこんな誰でも良さそうな先生役に岡田義徳さんをキャスティングしたんだ?」って疑問だったけど、最後の方でなるほどのキャスティングと思わされました。深馬の彼女の杏奈は、可愛いけど無個性で「美大に通う男がこんなタイプの女好きになるのか?」ってところが胆ですね。杏奈が面接受けてるシーンがたまに出てくるんだけど、質問への回答もベタで、イラっとさせてくれる。この無個性さが真未の魅力と対照的ですごくいいと思いました。

真未と深馬が出会うのは原作同様に夜の高架下(だと思う)深馬がスプレーで線や円を描いて、酔いつぶれて寝て起きると、その絵に書き足されていて素敵なスプレーアートが仕上がっている。スプレーアートの表現が映像で出てくるんだけど、これがとっても素敵でした。原作読んでる人間としてすごく感動した表現だった~。いつも寝てしまっている深馬は、自分の絵に誰かが書き足す瞬間に出会って、逃げる相手を引き留める。そこで真未と出会うわけです。二人は一瞬で惹かれった様子なんだけど、どうしてこんなすぐに打ち解けるの?って思ったら負け。私は常日頃から「共通言語」*1のある男女は惹かれ合いやすいんでしょうねということを思っているので、そういうことにしています。

自由奔放で細かいことは気にしない才能溢れる真未に、きっとすぐに惹かれた深馬。すーぐに真未の家に着いていっちゃう。部屋の中で肩車して!っていう真未を肩車して部屋の壁の上部にシュッとスプレーで色を付ける。「ここにシミがあって、自分じゃ届かなかったから!」このシミも後から効いてくる。あとどこかのシーンで真未が深馬の首にピンク色?のスプレーをシュッってするの。それを杏奈が「深馬くん、汚れてるよ?」って言って「ああ、作品作ってるときについたのかも」って言い訳するんだけど、私が思うにこれはキスマークの表現なんじゃないかなと。全体を通して深馬が真未に依存してる感すごかったけど、きっと真未もそれなりの独占欲というか、依存があるんじゃないかなと思わせてくれたシーンでした。

深馬と真未が致してるときに、背後に杏奈の面接のシーンが出てくるところもエグさがあってよかった。一回目の面接のシーンでズタボロだった杏奈が「尊敬する人は誰ですか?」って質問に「たくさんいますが、母です」「たくさん居るって仰ったけど、ほかには?」って聞かれて深馬のことを話すんだけど、すごく雄弁でハキハキ喋るの。この後のシーンでその会社に受かったらしい杏奈が「深馬くんのこと話したら受かったの!」って嬉しそうに話すんだけど、杏奈は自分の力じゃ何もできない、ここでも深馬に縋ってるんだってことを強調するシーンになってる気がした。杏奈のことをどうしても好きになれない私はここでもざまあ!って感じでした…私性格曲がってるのよ…。

深馬の作品を見た有名アーティストから、自分の作品展に深馬の作品を出したいというオファーがあり、深馬はそのための作品を仕上げていくんだけど、真未と出会って様子がどんどん変わっていき、杏奈に対して冷たくなる深馬に北見が声を上げ、仲が良かった二人の関係がぎくしゃくしてる中、深馬の作品がズタズタにされる事件が。犯人は北見だという深馬と否定する北見は取っ組み合いになって関係も悪化する。またこの事件も後からすごく大切なシーンになります。

深馬と真未が夜な夜な街に出てスプレーアートを仕上げていく様がコンテンポラリーダンス?のような感じでかっこよかったです。正門くんの身軽な身のこなしに「あ、そうだこの人ジャニーズだわ」って気づかされる瞬間でした。そんな二人は正体不明のアーティストとして世の中で話題に。もちろん美大の中でも有名で、あれを描いているのは誰なのかという話で持ちきり。そんな中に一本の動画が世の中に広まる。それは正体不明のアーティストが絵を描く瞬間を捉えた映像で、深馬はドキッとしながら映像を見ると、そこには自分たちでではない誰かが映っていました。

深馬と真未は自分たちになりすました犯人捜しを始めます。やっと犯人を突き止めた深馬、その犯人、実は滝川先生であった。ここで滝川先生が、深馬に嫉妬していたこと、深馬たちの作品を自分の作品だということで、それでも有名になりたかったことなどを語っていくんだけど、ここで岡田さんの芝居が活きました。このシーンのためのキャスティングかと納得。ちなみに滝川先生は原田に頼んで映像を撮ってもらい拡散したと。原田は大学に入学して友達が出来なかった自分に、初めて声をかけてくれた先生に恩返しがしたくて共犯者になったと。深馬と北見と仲良くなれと働きかけたもの滝川先生で、滝川先生は初めから深馬を使ってやろうと目論んでいたとのこと。でも、原田は癖もないし、いい奴過ぎて、大学入学して友達が出来ないということに説得力が一ミリもない。まあ、あんま気にしちゃだめよね。(数回目) 深馬は信頼していた人たちに裏切られまくるわけです。そして多分このタイミングで深馬はぶっ倒れ、気づいたら病院のベッドの上。甲斐甲斐しい杏奈、お見舞いに来る北見と原田。そして多分数か月後、居酒屋で乾杯するスーツの北見と原田と私服の深馬。二人はこれから就職して、深馬は留年が決定したらしい。そんな三人の会話のなかで、謎のアーティストの話題を振る深馬、その話に???な二人。「深馬、〇〇さん*2お願いされて、夏はスプレーアート書いてたじゃん」「あの映像見るの…?(自分の作品をズタズタにする深馬の映像)」「北見先生は留学した」ここで深馬は、ハッとして、どこかに向かって走る。着いたのは真未の部屋。なぜここが真未の部屋だってわかるかというと、真未を肩車してつけた壁のスプレーが残ってたから。でもこの部屋に真未はいない。泣き崩れる深馬。原作だとここで自慰行為に及ぶので、多分あの表現もそれなんだろうけど、とってもライトな感じであった。でも表情や声は全くライトなんて言えない、非常に苦しくて悲しい様子、ここ好きだなあ…役者正門良規の全身全霊の表現、素敵でした。多くは名言されないけど、真未は深馬が作り出した虚像でこの世にはいない人物。今までの話はほとんどが深馬の中だけの話で、端的に表現すると夢オチでした。まさかの展開。携帯を手にした深馬は「今から会えないかな」と杏奈に電話する。わ~~~あのつまんない女のもとに戻るの!?!?最悪!!!!って思って完。

感想書くのむっず!!適当に書きなぐったので読んでいただくような内容じゃなくなった。自分用の備忘録。語りたい部分の多すぎるけど、自分の周りで観られる人がいないのが惜しい…。語りたい欲が出てしまう内容でした。始まった瞬間から正門くんを感じることが少なくて、私もしかして正門くんにそんなに興味ない…?と思ってたんだけど、三回目のカテコでスタオべの客席を見てにこーっとした正門くんがかわいくて、やっとキュンときました…!深馬に興味ないだけだったみたい、安心。濡れ場が話題になりがち?だけど、そこは全くもってライトでした。ちょっと期待して観に行ったけど、そんな部分どうでもよくなったわ…。語りたいし、語る人の話を聞きたくなるような作品だったので、シゲアキ先生はロフトプラスワンとかで解説イベントしてください…。

*1:共通の趣味などの知識など

*2:深馬の作品を気に入って自分の個展に出したいと話をしてくれていた有名アーティスト